今回の奥飛騨釣り慕情旅はおやじ三人で一泊し、清らかな自然の中で加齢臭を清めることも目的であるのだ。本計画の発案者である「またぎのおじさん」のお勧めで、松本市安曇(上高地に向かう国道158号線にある)の
レストラン&ホテル「グリンデル」に泊まった。高原川は奥飛騨温泉郷の只中にあるのだが、ここで安易に温泉宿でないところが「またぎのおじさん」の真骨頂である。内装はロッジ風。で、でぃなーのお時間がやってきた。いやいや、正統派なのできちんとディナーと書こう。えーと魚用のナイフは確か装飾されているはずだから、おっとこれだ・・・などと内心恐縮しつつ食しましたが、これが美味。西洋かぶれの釣りをするらいじんだが、ふだんは立ち食いそばずるずるといった食生活なので、この雰囲気に加齢臭がすっとんだ。で、旨い!
ロッジ風の「グリンデル」。グリンダヨではないので注意。ご主人はおフランスで料理の修業をなさった本格的フランス料理のシェフ、ではあるが昨今は蕎麦に精力を注いでいらっしゃる。何を食べても旨い、絶品、お勧め。リンク張りました。
写真の人物は義兄だが、さすが西洋風の建造物と溶け込んでいない。さすがである。
グリルド岩魚。ソースが絶品。骨も抜いてあるので、ナイフ&フォークで岩魚と格闘することも無く、その神経を「あじわうこと」み集中できるのだ。えせ西洋釣り師も安心だ。ともかく、かように岩魚を美味しく調理した例を私は知らない。
さて、メインデッシュがやってきた。ビーフシチュー。絶品のドミグラスソースのなかでじっくり煮込んだおいちい肉なのだ。フォークですこっと裂けるので、これまたえせ西洋釣り師にはもってこいの料理である。力を入れすぎて、ナイフを皿底に「がちっ」なんてことは無いので、音楽を聴きながら大人の(おやじの)会話が弾むのである。釣りの後のこんな時間、は・じ・め・て。
これが蕎麦。蕎麦であって蕎麦でない。蕎麦を超越した料理。
もしあなたが蕎麦通を自認し、この蕎麦を食したことがなければ、それを恥じなさい。(西洋風な文体)
石臼は乗鞍の有巣石。粉は地元弦そば。これ以上の情報はらいじんレベルでは述べられない。シェフが一番喜んでもらいたいのは、この蕎麦とみた!(ちがってたらごみんなしゃい)
その後のミルフィーユ、コーヒーと続くが、これは泊まって実感してね。ちなみに朝食の野菜にかかっていたドレッシングはイチゴの香りがした。季節を大切にする人なんだな。
釣りも、宿も、食事も満足する。これっていいなぁ。